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眺めのいい部屋 クラシックオペラ界の歌姫キリ・テ・カナワ女史が歌うプッチーニの有名なアリアで始まるこの作品は、イギリス映画界が総力を挙げて世に送り出したまさに珠玉の名作と呼ぶに相応しい出来栄えに仕上がっています。

原作は『インドへの道』『ハワーズ・エンド』などの作品でもよく知られるエドワード・モーガン・フォースター氏によるもので、その昔大学を卒業したばかりの彼が、イタリアを旅した際に宿泊したフィレンツェのペンションでのエピソードをもとに書いた作品であると言われています。

20世紀初頭、英国の良家の子女として規律正しい少女時代を過ごした主人公のルーシーが、年長の従姉シャーロットに連れられて初めて旅したイタリアでの出来事を通して次第に大人の女性へと様変わりしていく過程を描いた本作は、フォースター氏29歳のときの作品とあって、彼の他の作品に比べ明るく華やかでみずみずしさに溢れています。

映画はフィレンツェ市街のペンションを舞台に、まだ少女の面影を残すルーシーと個性豊かで魅力的な英国人旅行客たちとの出会いから始まります。

小説の題材を求めてイタリア各地を旅する女流小説家や世界旅行を夢見る老姉妹、そして老いてなお饒舌な自由主義の父と寡黙な青年の親子連れ・・・

距離を置きながらもこうした人たちと関わり、イタリア人の情熱的な気質にも触れるうちに彼女は本来持って生まれた自分を徐々に目覚めさせていきます。

そんな彼女も帰国後は普段の生活に戻り、かねてから親しくしていた男性と婚約を交わし平穏な結婚生活を送るかに見えましたが、イタリア旅行で知り合った青年ジョージとの運命的な再会を果たすに至り、淑女としてあるべき姿を演じようとする自分と、無意識のうちに自分の中に目覚めていた本当の自分との間で葛藤し次第に混乱していくのでした・・・

公開から20年余りを経て今なお根強い人気を誇るこの作品は、文藝作品を得意とするジェームズ・アイヴォリー監督によって映画化され、87年の米国アカデミー賞3部門(脚色賞・美術賞・衣装デザイン賞)を獲得しています。
2012/02/18(土) 17:52 映画 PERMALINK
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