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映画は、北欧デンマークの海辺の寒村を舞台に、厳格な牧師だった父の遺志を継いで神に仕える道を選んだ老姉妹マチーネとフィリパの慎ましやかな日常から始まります。
そして、二人のもとに身を寄せるフランス人の召使いバベットが数奇な運命の末にこの家に住み着くまでのエピソードが、映画の前半を通して淡々と語られていきます。
荒涼とした北辺の地で僅かな年金を遣り繰りしながら慈善活動に尽くす老姉妹と、それを無償で支えるバベットの奇妙な共同生活は続き、いつしか彼女はこの村に無くてはならない存在となっていきます。
そんな中、バベットのもとに届いた一通の手紙が発端となり映画は意外な展開を見せ、クライマックスとも云うべき牧師の生誕100年を祝う晩餐会へと移っていきます。
かつてパリの最高級レストランで天才料理長として名を馳せたバベットが腕によりをかけてこしらえたフランス料理によって、客人ひとりひとりが心豊かに満たされ、忘れかけていた牧師の大切な教えをその胸のうちに呼び覚まされるという大団円の描写は圧巻で、この映画を観る者すべてに満ち足りた幸福感と今までに味わったことのない不思議な余韻とをもたらしてくれます。
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