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ルートヴィヒ 神々の黄昏 イタリアミラノの名門貴族の出身であるルキノ・ヴィスコンティ監督ゆえにこれ程までに格調高い映画が撮れたと言っても過言でないくらいに、この映画は全篇を通して圧倒的な気品を漂わせています。

登場人物はすべて実在の人物であり、テーマもバイエルン国王ルードヴィッヒ2世の謎の死という実話を取り上げています。当時ドイツに留学中だった森鴎外が、自らの作品の中でこの事件について触れていることからも、当時から生々しい出来事として世間で取り沙汰されていた様子が窺がえます。

映画は、ヨーロッパ全土で最も美しい国王といわれた弱冠18歳のルードヴィッヒ2世の華やかな戴冠式から始まります。そして、彼の従姉であり絶世の美女とも謳われたオーストリア皇后エリザベートへの叶わぬ恋を経て、ワーグナーの音楽への破滅的な傾倒と限りない浪費、更には現実から乖離した倒錯の世界へと突き進んでいきます・・・

映画では、国民の間で根強い人気があったルードヴィッヒ2世を退位させることに苦慮した政府が、彼に統治能力が無いことを証明するために行った調査で証人たちが国王の言動について証言する場面が随所に織り交ぜられ、さながらドキュメンタリー映画としての一面を併せ持つなど凝ったつくりに仕上がっています。

また、俳優陣ではヴィスコンティ監督に「おそらく彼以外にこの役を理解し演じられる者はいないだろう。」とまで言わしめた主演のヘルムート・バーガーが 一世一代の名演で見事にその期待に応え、その後のヴィスコンティ映画においても重要な役回りを演じることになります。

そして何よりもこの映画を語る上で忘れてならないのが、映画全篇を通して流れるリヒャルト・ワーグナーの華麗な音楽の存在です。
ルードヴィッヒ2世が生涯愛してやまなかった『ローエングリン』や『タンホイザー』などの珠玉の名曲が随所に散りばめられ、極上の映像美と相まってこれ以上ないほど優美な雰囲気を醸し出しています。
2012/02/18(土) 17:39 映画 PERMALINK
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